山間に佇む有馬温泉は神戸の奥座敷として親しまれています。 一年を通し花の見所で実に色彩豊かな有馬が車で30分という近場がうれしい。早春、山に可憐で真っ白なこぶしの花(タムシバ)が、やがて善福寺の見事な糸桜と桜の並木トンネル、夏は念仏寺の沙羅双樹の純白の花、楚楚として心を静ませてくれます。秋は真っ赤に染まる紅葉、落ち葉の赤いジュウタンを歩いていると川の水の音が日常を忘れさせてくれ、冬はすっぽり雪につつまれ湯泉の湯けむりに冷えた体を温めるのは至福の時でもあります。 町の中心に温泉源を掘り当てたという仁西上人像、有馬温泉を広く世間に広めた行基菩薩像、大阪城から湯治に訪れた太閤秀吉像、そしてねね像が完成されました。 ねね像の制作にあたり迷ったことは年齢です。少女のような若い像、熟年、老年といろんな「ねね像」が頭の中をよぎりました。というのは15年前に太閤秀吉像を制作したとき歳を重ねた秀吉像だったのでその釣り合いでした。しかし、女性が幾様にも変化していく若いねね像がいいかと決めたが、美人で知性に富み、思慮深く物静かな表情をどのように表現しようか、立派に天下人秀吉を支えた女性であり女性の鑑でもある「ねね」を造るのは難しかったことを思い出します。 深い緑に一層の風情を呈している赤いねね橋から温かい眼差しで最愛の秀吉を見つめていることでしょう。二人のロマンに浸りながら小路を散策するのも楽しいものです。有馬温泉は、花よし、食よし、湯よし、神戸よいとこ・・・・・